今日のデジタル社会では、多くの企業がオンラインサービスやアプリケーションに大きく依存しています。ホスト型でもオープンソースでも、ステータスページは「あれば便利」なものではなく、インシデントコミュニケーション戦略に欠かせない要素です。ITチームやサポートチームがユーザーに最新情報を届け、信頼を築き、障害発生時に殺到するサポートチケットを減らすのに役立ちます。
メールを手作業で送ったり、複数のチャネルに更新情報を投稿したりする代わりに、ステータスページを使えばサービスの状況を一元的かつ自動的に伝えられます。ステータスページを導入する際の選択肢は、大きく分けて次の2つです。
- SaaSソリューション(フルマネージドで、メンテナンス不要)。
- セルフホスト型のオープンソースソリューション(自由度は高いものの、運用管理が必要)。
セルフホスト型とホスト型のステータスページで迷っている方は、詳しい比較記事『ステータスページはホスト型とセルフホスト型のどちらを選ぶべきか?』をご覧ください。
すでにセルフホストに決めているなら、この記事はまさにあなたのためのものです。以下では、おすすめのオープンソースのステータスページツールを紹介しますので、ニーズに合ったものを見つけてください。
目次
- オープンソースのステータスページ比較表
- 1. Uptime Kuma
- 2. Cachet
- 3. Vigil
- 4. Kener
- 5. Upptime
- 6. CState
- 7. Gatus
- 8. Notionベースのステータスページテンプレート
- まとめ
オープンソースのステータスページ比較表
現在利用できる無料のオープンソースのステータスページツールから、おすすめの8つを厳選しました。順位付けはせず、主な比較ポイントを整理したので、ニーズに最も合うものを選んでください。
まずは以下の比較表をチェックし、その後で各ツールの詳しい解説をご覧ください。
| ステータスページ | 通知チャネル | 監視 | 多言語対応 | スタック | OSSモデル | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Uptime Kuma | ✅ | 90+ | HTTP、TCP、DNSなど多数 | ✅ | JS, Vue | オープンソース |
| Cachet | ✅ | メール | ❌ | ❌ | PHP | オープンソース |
| Kener | ✅ | ❌ | HTTP Pull/Push、APN | ✅ | JS, Svelte | オープンソース |
| CState | ✅ | RSS、メール | ❌ | ✅ | HTML, GitHub | オープンソース |
| Vigil | ✅ | 11+ | HTTP、TCP、ICMP、ローカルエージェント | ❌ | Rust | オープンソース |
| Upptime | ✅ | 9 | HTTP | ❌ | GitHub Actions, Issues, Pages | オープンソース |
| Notionテンプレート | ✅ | ❌ | ❌ | ❌ | Notion | オープンコア |
| Gatus | ✅ | 20+ | HTTP、TCP、DNSなど多数 | ❌ | Go | オープンコア |
1. Uptime Kuma
Uptime Kumaは、ステータスページ機能を備えたセルフホスト型の監視ツールです。使いやすさと豊富な機能で知られ、さまざまなプロトコルやサービスの監視に対応しています。
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Uptime Kumaの主な機能
- HTTP(s)、TCP、DNSなど、多様なプロトコルの監視。
- 高速でレスポンシブなユーザーインターフェース。
- Telegram、Discord、メールなど、数多くのサービスを通じた通知。
- 短い監視間隔(最短20秒)。
- 多言語とステータスページに対応。
- 証明書情報の表示、プロキシ対応、二要素認証などの追加機能。
2. Cachet
続いては、無料のステータスページの中でも古株にして代表格のCachetです。
まず目を引くのが、プロジェクトの規模の大きさです。多くのコントリビューターを抱え、充実したドキュメントがあり、質問に快く答えてくれる独自のSlackコミュニティまであります。
ただし、Cachetを使うにはサーバーを構築・運用する必要があり、これまでに紹介したツールと比べると導入の手間がやや多くなります。
その点を除けば、ユーザーインターフェースは快適で、ダッシュボードもわかりやすく整理されています。インシデント、監視対象サービス、計画メンテナンス、独自のメトリクスを作成できます。さらに、権限の異なる購読者やチームメンバーを追加でき、そのための二要素認証も用意されています。
カスタマイズ可能なステータスページは、ユーザーにとっても特に便利です。強力なJSON APIも備えており、全体として完成度の高いツールに仕上がっています。
アップデート:Cachetのバージョン3.xがまもなく登場
Cachetの開発者であるJames Brooks氏は、家族との死別やLaravelへの転職など、個人的にも大きな変化を経験してきました。現在はVue.js、Inertia、Laravel 10.x、Tailwindといったモダンな技術を使ってCachetを再構築しています。
計画では、PHP 8.1以上のみをサポートすること、英語以外の翻訳を一時的に削除する可能性があること、既存のインストール環境が引き続き動作するようにすることが挙げられています。再構築は大規模なものになり、リポジトリにある現在のissueやプルリクエストはクローズされる予定です。
James氏は、フロントエンド開発、テスト、ドキュメント作成、資金面でのスポンサーシップなど、コミュニティからの協力を募っています。
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Cachetの主な機能
- インシデント、メンテナンス、監視メトリクス
- 購読者とチームメンバー
- 見やすく使いやすいダッシュボード
- 二要素認証
- カスタマイズ可能なステータスページ
- 強力なJSON API
- 充実したドキュメント
3. Vigil
もう少しシンプルなサービスがVigilです。インシデントの作成、監視、さまざまなチャネル(メール、SMS、Slack、Telegramなど)での通知と、ステータスページに求められる機能はひと通りそろっています。
Vigilもセルフホストが必要なサービスです。興味深いことにVigilはRustで書かれているため、Docker版を使うにはcargoまたはOPToptが必要です。
Vigilの大きな利点は、社内LANで内部向けに利用できることです。小規模な企業にとっては、社内用の無料サービスとして十分に有力な選択肢でしょう。
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Vigilの主な機能
- ステータスページを生成
- 通知(メール、SMS、Slack、Telegramなど多数)
- Vigil Localで内部利用が可能(LANなど)
4. Kener
モダンで洗練されたデザインの、GitHubベースのステータスページで、サービスの状態を自動的に監視したいなら、Kenerがぴったりです。
KenerはGitHubアカウントをインシデントレポートの保存先として利用するため、チームがすでに使っているワークフローやコラボレーションの方法に簡単に組み込めます。
Kenerは完全なオープンソースで、Node.js、Svelte、Tailwindで構築されているため、機能の拡張やカスタマイズが非常に簡単です。
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Kenerの主な機能
- リアルタイム監視:HTTPエンドポイントへのポーリング、またはREST API経由のプッシュにより、サービスをリアルタイムで監視できます。
- YAMLによる柔軟な設定:YAMLでモニターを柔軟に設定でき、UP、DOWN、DEGRADEDといったサービスステータスも独自に定義できます。
- cronベースのスケジューリング:モニターのcronベースのスケジュール設定(最短1分間隔)に対応し、デフォルトステータスも設定できます。
- カスタマイズ可能なステータスページ:YAMLやコードでステータスページをカスタマイズでき、モニターのステータスや稼働率を示すバッジも生成できます。
- ブランディングと埋め込み:カスタムドメインに対応し、モニターをiframeやウィジェットとして埋め込めます。ライトテーマとダークテーマも用意されています。
- インシデント管理:GitHub IssuesやAPIでインシデントを作成でき、インシデントにはリッチテキストも使えます。
- ユーザー体験とデザイン:アクセシビリティスコア100%の使いやすいインターフェース、簡単なインストール、さまざまなデバイスに対応するレスポンシブデザイン、SEOとソーシャルメディアへの自動最適化を重視しています。
5. Upptime
Upptimeは私たちのイチオシの一つです。完全なオープンソースで、とても使いやすいサービスです。ステータスページはGitHub上で直接ホスティングされるため、自前のサーバーは必要ありません。
無料のステータスページでありながら、Upptimeでできることは豊富です。インシデントの作成、サービスの監視、進行中および過去のインシデントの表示、ライブステータス、計画メンテナンスに対応しています。
システムがダウンした場合に備えて、さまざまな外部サービス経由の通知も設定できます。
何より便利なのは、インシデントが発生するとUpptimeが自動でGitHubのissueを作成し、解決すると自動でクローズしてくれることです。これにより、開発チームは常にサービスの状態を把握できます。
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Upptimeの主な機能
- GitHubのissueを自動でオープン・クローズ(開発チームに便利)
- 応答時間をコミットとして記録
- サーバー不要で、すべてGitHub上で動作
- 進行中のインシデント、計画メンテナンス、ライブステータス、過去のインシデント
- さまざまなサービスへの通知
- 使い勝手のよいUI
6. CState
CStateもミニマルな選択肢の一つで、静的サイトジェネレーターのHugoをベースにしている点がユニークです。そのためGitHubやNetlifyなどで手軽にホスティングでき、静的サイトならではの圧倒的な速さで動作します。
CStateは、インシデントやメンテナンスの告知とその履歴など、ステータスページに必要な主要機能をすべて備えています。
個別のカスタマイズも可能です。さらに、スペイン語、ポルトガル語、トルコ語、オランダ語など8言語の翻訳パッケージが組み込まれています。トラブルが起きた場合は、少額の費用で限定的なサポートを受けられ、インストールの手伝いまで依頼できます。
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CStateの主な機能
- サーバーレスアーキテクチャ:静的なサーバーレス設計により、効率とスピードを実現しています。
- 超高速なパフォーマンス:GoとHugoで構築されており、卓越したパフォーマンスを発揮します。
- 高いカスタマイズ性:ミニマルなHTML/CSS/JSで構成されているため、自由にカスタマイズできます。
- CMSと読み取り専用APIを搭載:コンテンツ管理システムと読み取り専用APIがあらかじめ組み込まれており、手軽に使えます。
- バッジ生成:さまざまなステータスを示すバッジを作成できます。
- 優れたブラウザ互換性:IE8のような古いバージョンも含め、幅広いブラウザに対応しています。
7. Gatus
Gatusは、シンプルさと使いやすさを重視して設計された、サービスの自動監視とステータスページのためのソリューションです。サービスごとにヘルスチェックを定義すると、その応答に基づいてステータスページが自動的に更新されます。
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主な機能:
- ✅ 自動監視:YAMLの設定でヘルスチェックを定義できます。
- ✅ セルフホスト:Dockerまたは単体のバイナリとしてデプロイできます。
- ✅ カスタマイズ可能なアラート:Slack、Discord、メールなどに対応しています。
- ✅ 軽量かつ高速:パフォーマンスを重視して作られています。
メリットとデメリット:
⬆️ メリット:
- 最小限の設定で簡単に導入できる。
- サービスのヘルス状態に応じてステータスが自動更新される。
- 複数のアラート連携に対応している。
🔻 デメリット:
- あくまで監視ツールが中心で、本格的なステータスページソリューションではない。
- 手動でのセットアップとホスティングが必要。
監視機能を内蔵した、軽量なセルフホスト型のステータスページを探しているなら、Gatusは有力な選択肢です。
8. Notionベースのステータスページテンプレート
すでにNotionを日常的に活用していて、サーバーのホスティングに煩わされずに無料で手軽に使えるステータスページがほしい場合は、Notionベースのステータスページテンプレートが有力な選択肢になります。一般的な意味でのオープンソースソリューションではありませんが、自由にカスタマイズでき、Notion内で自社管理のステータスページとして運用できます。
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主な機能:
- ✅ 自由に編集・カスタマイズ可能:ニーズに合わせてテンプレートを変更できます。
- ✅ 無料でホスティング不要:サーバーの構築は不要で、Notionのアカウントさえあれば使えます。
- ✅ 共同編集しやすい:複数のチームメンバーが簡単にページを更新できます。
- ✅ 埋め込みコンテンツに対応:外部リンクやインシデントレポートなどを追加できます。
メリットとデメリット:
⬆️ メリット:
- ホスティングやメンテナンスが一切不要。
- 自社ブランドに合わせて自由にカスタマイズできる。
- シンプルでわかりやすく、技術に詳しくないユーザーでも扱える。
🔻 デメリット:
- オープンソースではなく、Notionのプラットフォームに依存する。
- 専用のステータスページソリューションと比べると、自動化の範囲が限られる。
軽量なノーコードソリューションを求めているなら、Notionベースのステータスページは、ユーザーに最新情報を届ける手軽で効果的な方法になるでしょう。
まとめ
新しいサーバーの構築や運用を避けたい場合で、GitHubやNetlifyのようなサービスに依存しても問題なければ、UpptimeとCStateが最適です。
一方、シンプルな監視サービスと洗練されたステータスダッシュボードを求めているなら、ギーク向けのデザインが特徴のMonitororがおそらく最適な選択肢でしょう。
自前のサーバーを構築・運用する手間をいとわず、上記よりも高機能なツールを求めているなら、Cachet、Statping、Vigilのいずれを選んでも間違いありません。中でもCachetは、長い歴史、多数のコントリビューター、そして優れた包括的なドキュメントで群を抜いています。
最後に、これらの無料のオープンソースツールでは物足りなくなってきたら、StatusPalのようなモダンなSaaSソリューションを検討するタイミングかもしれません。ここで紹介した機能はもちろん、それ以上の機能を利用でき、迅速で頼れるサポートチームが数分で使い始められるようお手伝いします。
オープンソースのステータスページの例
おまけとして、上記のオープンソースツールで作られたステータスページの好例をいくつか紹介します。
Twinのステータスページ(Gatus製)
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Crispのステータスページ(Vigil製)
Meilisearchのステータスページ(Vigil製)
Kenerのステータスページの例
FSCIのステータスページ(CState製)
Uptime Kumaのステータスページの例
Eduardo Messuti
Founder and CTO
Eduardo is a software engineer and entrepreneur with a passion for building digital products. He has been working in the tech industry for over 10 years and has experience in a wide range of technologies and industries.
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